宙組「カサブランカ」(秋の夜長のちーちゃん語り)

2009年11月23日 23:47

宙組「カサブランカ」3回目。
今日はちーちゃんをガン見するDAY(なんだそりゃ)。

盆が回って、ちーちゃんが暗闇に溶けていっても、完全に暗度100%になるまで、ちーちゃんを観る。
ルーレットを回してる間は薄暗いわ横顔しか見えないわ、ときどき完全に背中向けちゃうわだけど、それでもオペラグラスで追い続ける。
…ただのキモい観客ですね。すみません�����܂�

てなわけで。
エミール@蓮水ゆうや
エミール君の顔見たさにカジノに通いつめ、全財産をはたいてしまいそうな程にカッコいいです。

ビシッとオールバックに決めた髪型が大人っぽくて、きちんと感が漂ってるのがいいです。
ディーラーという職業と、リックのカフェという職場に誇りを持ってて、つねに襟を正して働いてる感じ。
(その辺、ユルくて陽気なバーテンダーのみー君と好対照で面白い)。

公式サイトに書いてあるクルーピエという言葉がわからんかったので調べてみた。
croupier
〔カジノの〕クルーピエ、ディーラー◆客の近くにいて、レーキと呼ばれる棒状の道具でチップを移動させる係員

ん?エミール君って、自分でルーレット回してるよね。ま、いいけど。

リック@ゆうひさんに負けを報告に来るシーンがいい。
努めて平静を保とうとしてるけど、悔しさがセリフの抑揚ににじみ出ている。
自分を負かした客に対して腹を立ててるんでなく、自分の不甲斐なさを悔しいと思っている、誇り高きディーラー。
ちーちゃんってば、いつのまにか一言のセリフに心の機微を込めて表現できる役者になってたんだね�Ί�

2幕ではちょこっと歌のソロもあって嬉しい。この場面はカッコいいと言うより可愛いな。
イカサマルーレットでヤン夫婦を助ける場面では、よくよく見ると、ゆうひさんとコンタクトを取ってるのがわかります。
もちろん無言だし露骨にうなずくとかも無いんだけど、ゆうひさんを見る一瞬のまなざしが、すごい真剣なのですよ。
ここで外したら人助けどころかアリスちゃんが身売りの危機だから、エミールとしてはプレッシャーだったろうな。

1幕の戦場、2幕の集会シーンのダンスもカッコいいですが、役から離れて踊るフィナーレの群舞が、めっちゃイイ表情で踊ってます。
にっこりスマイルで可愛いなぁちくしょー!!と思うときもあれば、ダンスそのものに見惚れる時もあり。

今日は、リック分身の術群舞(パンフ買ってないから正式名称がわからん。白ジャケットで踊るシーン)のキザりっぷりにヤラれました。
唇の端っこだけ上げてキザに微笑むちーちゃん、まさにキラースマイル。撃ち抜かれました。
それを武器に選挙でも出てみたらいかがでしょう(それはロシアン・ブルーだっつーの���)。

来週はまさこをがっつり見るまさこ眼帯萌えDAYの予定。そして再来週はMY千秋楽だ。
1ヶ月公演って、ホントに慌ただしいな…。


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宙組「カサブランカ」

2009年11月23日 00:14

22日11時、宙組「カサブランカ」2回目を観てきました。

無事にまさこが復帰してました。よかったよかった。
ちーちゃんの代役を観たかった気もするけど、二人が…みんなが元気に舞台に立ってくれることが大事だ�L���L���i�I�����W�j

リックのカフェとカジノ、そこから回想でつながるパリ。
小池先生の空間と時間の構成力は毎度のことながら上手いなぁと思う。
リックのカフェの従業員、客、軍人、市場を行き交う先住民族など、いろいろな人がいろいろな所で動いています。

私は原作にも近現代史にも詳しくないけど、小池先生の人物配置と演出の巧みさのおかげで、時代と都市の空気が伝わってくる。
モブシーンがただの動く背景でなく、ちゃんと作品を構成する要素になっている…そこを正塚先生は見習ってほしい(ぼそっ)。


さて、ゆうひさんのリック。
ひとつひとつの何気ない仕草とか、衣装の着こなしとか、何から何までかっこいい。

何と言うか、こう、身からにじみ出る男役芸というか。
「この最高にカッコイイ人を、宝塚?何それ?と言う人たちにこそ見て欲しい」と思った。

煙草を吸うときの苦みばしった表情が個人的にツボなのですが、一人で飲んでるときのグラスの持ち方、座った足の広げ方とか、帽子をちょっと上げたりする指の動きとか。
“どうすれば最高に男らしく、かつ美しく見えるか”を計算しつくした上で、その計算は表に出さずに一人の男として舞台上で生きている。
かつて、ギャツビーを演じたあさこちゃんの背中に感じた、男役としてのある種の到達点をゆうひさんのリックにも感じました。

そんな男が、女に昨日のことを問われれば「そんな昔のことは忘れた」と言い、今夜のことを問われれば「そんな先の計画は立てたことがない」なんてはぐらかすのだから。女としてはたまらんですよ。
ではリックは女を適当に扱う軽い男なのかと言えば、決してそうではなくて。
ずっと心に想い続けるただ一人の女、イルザがいるから、他の女のことはどーでもいいだけ。

それ、最初にイヴォンヌに言ってやれ。
そしたらイヴォンヌも徒労に終わるだけの恋に身を焦がさずとも済んだのに。
リックに振られてヤケになったイヴォンヌがドイツ兵と一緒にいても、何も言わないリック。
嫉妬も心配も咎めることもしない。
ほんとにイルザ以外の女はどーでもいいんだな…。
しかもその本心を誰にも言わないんだから、女は理由のわからない男の冷たさに涙で枕を濡らすのみ。

…なんて、ふだんは女子目線で舞台を観ることはないんですが、今回は「リック…罪な男よのう」とか「ぶっちゃけイルザ、うらやましいぞ」とか例外でした。
それだけゆうひさんのリックがカッコ良すぎるということだな…「君の瞳に乾杯!」。
(瞳と打とうとしたら七味と打ち間違えた…七味って�����܂�)



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月組 中日劇場&バウ出演者

2009年11月18日 01:13

中日とバウの出演者が発表されました。

そのかとマギーは予想どおり中日。
意外なことに、みりお君も中日だった。

みりお君は『HAMLET!!』でホレイショー(ハムレットの友人)をやるかなと予想してたんですが。
でも、まさお&みりおでシェイクスピアだったら、「二人の貴公子」と同じだな…。

しかしバウ組、若いなー。作品的にはハムレットの親世代のキャラもばんばん出て来るのに。
越リュウはやはり、ハムレットの叔父でしょうか。
ついでにハムレットの父の亡霊も二役でやってくれたらいいのに(自分で自分を告発するんかい�����܂�)。

いや、亡霊にはそれなりの重さとおどろおどろしさがないと、ハムレットが軽くスルーしちゃいそうで説得力ないやん。
このメンバーで誰がハマるかといえば、やはり越リュウだと思うのだけど。

あと、「SAUDADE」以来気になってる宇月颯くんが何役かも気になる。


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劇団☆新感線「蛮幽鬼」

2009年11月15日 23:15

「蛮幽鬼」観てきました。
びみょーにネタバレ感想です。

やっぱり私、中島かずきさんの脚本が好きやわ〜と再認識。
チャンバラは新感線のお約束だから人が死にまくるけど、その死がちゃんと重いのね。

愚かな者も賢い者も、善き人も悪しき人も、己の人生を疾走するなか、一人だけ異彩を放つ薄笑いの男。


サジと名乗る男@堺雅人
常に笑顔を崩さないこの男は、圧倒的な強さという自信から誰のことも軽蔑してるんだろうなと思った。
個人の復讐を考えてた土門を利用して国そのものを滅ぼすよう仕向けるのは、彼自身の復讐劇でもあるのかと。

…が、ラストあたりの舌を出した笑い顔のあたりで、うーん?となった。
赤ちゃんがおもちゃに反射的に見せる笑顔のような、良く言えば無垢、悪く言えば知恵の無い不気味な笑顔。

あれっ、この人壮大なことを考えてそうで、実は何も考えてない?
スケールのでかすぎる“遊び”に付き合わされて死んだ連中や、こんな“情”のかけらもない男に友情を感じてた土門ってば…。


最後まで“心”を見せないまま死んだサジと対照的な、復讐“鬼”になりきれなかった男。
伊達土門@上川隆也
チラシを見て“上川さんどこ?”と焦って探したあげくに“じじいメイクですか…”とショックだったんですが。
実際の舞台はああいう凄まじい姿は少しだけで、イケメンな上川さんを拝めました。

不覚にもオペラグラスを忘れたんですが、涙を流しながらの熱演だったそうで。
声だけでもじゅうぶん迫力は伝わってきました。

復讐のためだけに生きて来た土門だけど、結局仲間割れした相手が勝手に自滅した。
もしそうでなかったとしたら、彼は自分でかつての友人を手にかけることができたろうか。
激しい言葉で復讐を叫びつつ、ところどころ見せる甘さが良かったな。人間らしくて。

そんな鬼になれなかった人間が最後に選んだのは愛だった。
完全にヤラれました。上川さんの演技にも、脚本の上手さにも。

あと客演では刀衣@早乙女太一
女形姿は普通だと思ったけど、殺陣の美しさはお見事!!
殺し屋として養成された特殊な一族というのが素直に納得できました。
今日、刀飛ばしてたように見えたのは気のせいかな?


劇団員では、やはりお目当てなのは粟根っち。
美形というわけじゃないんだけど、なんでこんなにカッコイイんだろうな…。
客演が多い公演だとパターン化されたキャラばかり演じてるので、ほかの引き出しを見せてほしい気もする。
悪役なんだけどサジに比べりゃ単純な小物。自分だけは助かろうとする卑小さがたまらん。

それからじゅんさん。
やはり新感線なのだから、シリアス路線でも笑いを期待してしまうのが人情というもの。
ほとんど一人でお笑い部門を担当してました。アドリブ飛ばしまくりで楽しかった。
山内さんと親子という設定なのもツボ。どんだけ濃い親子やねん。


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月組「ラストプレイ」千秋楽その2

2009年11月10日 01:14

20091109235344.jpg


月組千秋楽、カーテンコールの覚え書き。
抜けてるところも多々あるし、順番もうろ覚え。スカステで復習しなくては。


最後に一言ずつどうぞ、とあさこちゃんに促されて下級生から喋ったのですが、うらもえちゃんを筆頭に、みんな「幸せ」ばかり。

おときちも「幸せ」だったので、「つまんないなー」と突っ込むあさこちゃん。
あいあいとしずくちゃんが喋ってたので、「そこ、私語しないで」とも突っ込んでた。

あひちゃんも「幸せ」だったかな…ここぞとばかりに喋らなかったのは確か。
そんなおっとりしたあひちゃんが大好きだ。
(袴姿で娘役さんの横に立つと、改めてあひちゃんデカい!!!体にあわせて花束もデカい!!!と実感。)
そんなあひちゃんの希望(と、あさこちゃんが言った)で、1回目のジャンプ。

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緞帳が開いて、舞台にはあさこちゃん一人。
18年の感謝を述べたあと、組子を呼ぶ。
そのとき「はぁーい」と気が抜けるようなユルユルな返事をしたのは誰だったんだろう。
あさこちゃんが言うには、“ユルい退団同期”らしいです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

下手から緞帳前に出て来た退団者。先頭を歩くのはしずくちゃん。
どこで立ち止まったらいいのか、あいあいを振り返りつつ歩くしずくちゃんが可愛かった。
「ストップ!!」と号令をかけるあさこちゃんが男前でした。

もう一度一言ずつ…ということになって、今度は皆違うことを言ってたんですが…ここに書くには記憶が曖昧で。
あひちゃんは、「今が楽しすぎて(幸せすぎて)、今日が宝塚大劇場に立つのが最後だと忘れそうになります。なので、今噛みしめます」みたいなことを言ってました。
その言葉の後、みんなで客席の上やら下やらを眺め回して、この風景を見納めてる姿にうるっと来てしまいました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
緞帳前にあさこちゃんが一人で何回か出てきて、客席からのかけ声に答えたり、去り際に投げキスしたり。
最後は「気をつけてお帰り下さい」とビシっと締めて終わりました。
とにかく、まだ東京があるせいか、涙よりも笑顔のほっこりしたカテコでした。


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月組「ラストプレイ」千秋楽

2009年11月09日 20:01

神様は耐えられない程の試練を人に与えないと信じて走ってきた。
今、宝塚と別れる寂しさに耐えることが、自分に与えられた最後の試練だと思う。


あさこちゃんの挨拶はシンプルでありながら、心に残るものだった。

もちろん一瞬一瞬が寂しくて、最後の幕が降りなければいいのに…と祈るような気持ちもあったけど、この瞬間を共に過ごせた幸福感の方が大きいです。


カーテンコールは何回もあって、そのたびに何か言ってくれたんですが、組長スキーとしては。


越リュウ「あさこさんがどれだけ月組を愛しているか、証明したいと思います。月組は86人いるんですが、あさこさんは86本のバラを持って下さってるんですよ」

あさこ「(微笑みつつ)ちょっと重い…何泣いてんの?」

越リュウ「泣いてませんよ」

あさこ「(いたずらっぽく笑って)泣いてるじゃん」

越リュウ「泣いてませんって」


そんなやりとりがたまらんかったです。

あと、あひちゃんのご所望(?)で、全員でジャンプした時に、勢いで跳んでしまったらしいもりえ君を気遣うマギーとみりお君とか。

挨拶を聞きながら、泣くのを必死で我慢してるっぽい、ガチガチに直立不動のそのかとか。


あさこちゃんをメインでオペラグラスで追いつつ、そんなシーンも目に入ってきました。


あさこちゃんへのお花渡しは、ゆうひさんが来てくれました�L���L���i�I�����W�j
笑顔でゆうひさんを迎えるあさこちゃん。
お花を渡しつつ、そっと語りかけるゆうひさん。
最後に二人が並んでる姿を見られて幸せでした。


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中村獅童主演「反逆児」

2009年11月08日 23:50

獅童さん演じる三郎信康(徳川家康の一子)の妻徳姫は織田信長の娘、母築山殿は今川義元の姪。
織田信長を恨み抜く築山殿は徳姫につらく当たり、男子を産ませてなるものかと持仏堂に籠って呪詛する始末。
母と妻との板挟み、家と家との間で苦しみながらも三郎信康は徳姫のことを愛してはいるのだが…。

以下、ネタバレです。

ううむ、コミュニケーションって大事よね。と思った。
客観的に見てる我々観客からしたら、三郎信康が妻を愛していることも、徳姫が虐げられながらも築山殿を母として敬うけなげさもわかるんだけど。

二人ともその気持ちを相手に伝えるの下手だったり、タイミングが悪かったばかりに、どんどん悪い方へ悪い方へと転がって行く。


築山殿が三郎信康の側女にせんと連れて来た小笹にショックを受けた徳姫。
怒りと絶望から徳姫は、築山殿が武田方に内通していると父信長に訴えた。
武勇に優れる三郎信康に恐れを抱いていた信長はチャンスとばかりに家康にこの謀反人たちの処罰を迫る(自分で手を下さず家康に判断をゆだねる所がイヤラシいですな…)。

…徳姫。気持ちはわかるぞ。が、手紙を送る前に深呼吸しようぜ。
いま自分が怒りにまかせて思ってることが、1ヶ月後、1年後、10年後にも正しい決断だったと思えるのか考えようよ、な?

そんな感じで「思ってるだけじゃ伝わらない」「常に冷静さを忘れるな」という教訓を得た芝居でした。



獅童さんはかっこよかったですよ。

かっこよかったんだけどなぁ。残念ながら、脚本がなぁ…。
彼の選んだ道が史実なんだけど、現在の視点でこの芝居を観る者を納得させるだけのフォローが欲しかった。
結局彼は信長と家康に従ったわけで、どこが反逆児なん??な感じなのですよ。

織田信長に怨嗟の炎をまき散らし、息子にはエゴむきだしの愛情で執着する築山殿の方が、よっぽど反逆児だった。
夜中に行灯の油をなめてんじゃないかと思うような、築山殿@波乃久里子の化け猫のごとき怨念が凄まじい。

築山殿が武田方に通じていた証拠を押さえたときに、母に裁きをつけて信長に差し出しておけば、自分の身と徳川の家を危機にさらすことはなかったろうに。
そうできなかった弱さが命取りになったんだろうな…。

断腸の思いで息子に切腹を申し付ける父徳川家康@平幹二朗。
あああ、リア王様お懐かしい…いや、ミキティ(って誰やねん)、渋っ!!!

現代人には理解しがたい戦国時代の価値観を、有無を言わせぬ芝居で納得させてしまう凄さ。
家康がそうしなければならない立場とか、親としての苦しみとか、ひしひし伝わって来ました。
あと、三郎信康の家臣達の熱さもいい。
男の友情ものとしては、素直に感動できました。


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星組「コインブラ物語」感想その2

2009年11月07日 22:39

星組「コインブラ物語」感想の続き。

アントニオ@紅ゆずる
どうしましょう、めちゃめちゃカッコイイですがな〜�E�n�[�g
運良く通路側に座ってたので、ゆずるんが横を通ったときは心拍数上がりました。

ゆずるん、いい芝居してます。
自分の持ってる力を出しきって頑張ってる感じがいい。
とどさん相手の立ち回りも思いっきりぶつかっていってるし(ちなみに「ぅおりゃぁあ〜!」がMyツボ)。

そして、何よりも死にっぷりが最高でした。
ペドロに斬られて後ずさりして死ぬのですが、立ち位置は後ろに行っても芝居は一歩も引いてません。
人力スローモーションで、ためにためてからぶっ倒れます。
舞台手前の中央ではペドロが悲痛な顔をして立ってるんですが、どうしても視線がゆずるんに引きずられてしまうのでした。

見せ場としては美味しいアントニオですが、物語の上では哀れです。
妹を殺された上に、その殺しの濡れ衣を着せられて、わけのわからんうちに成敗されてしまいます。
はっきり言って殺され損。
盗賊稼業からそろそろ足を洗おうと言ってるだけに、あと少し…のタイミングで運命を狂わされたのが可哀想すぎる。

ペドロたち権力者にとっては、治安を乱す盗賊はイネスのことが無くても討伐すべき相手だったかもしれない。
が、権力者の立場から大勢の軍勢を引き連れて、問答無用で皆殺しってのは後味悪い。
立ち回りシーンを入れたいなら、ここは史実どおりペドロが父王に兵を挙げ、あわや内戦の危機ってことで良かったんでは。

後にイネスは自分の身代わりになって死んだミランダを思って修道院に入る決意をするわけですが、
きっと無駄死にしたアントニオ達についても胸を痛めたのではなかろうか。
…ってことはペドロがイネスに逃げられたのって、自業自得�����܂�


ロドリゲス@真風涼帆
宮廷サイドの人間なので、とどさんの部下かな〜と思ったら、悪役でした。

綺麗な顔して、やることが相当ヒドい。
ヒドい上にツメも甘い。
なんでミランダに取られたペンダントを回収して帰らないんだよ…わかりやすい証拠を残しおって。
しかも、そもそも人違いだったしな…。
相手が丸腰の娘だろうがおかまいなく冷淡に刃を振るうクールさが良かった。

イネス殺害を盗賊の仕業と信じたペドロの盗賊征伐に、しれっとついて行くロドリゲス。
真犯人はアンタじゃーん。悪いヤツめ。
ここ、ロドリゲス的には「しめしめ」な感じだと思うのですが、ゆりか君の演技は淡々としてました。
もうちょっと腹黒く見せても良いんでないの?と思いつつ、でも露骨にほくそ笑んでたら怪しいかとも思ったり。

あと、立ち回り。もうちょっと頑張れー。振り付けの一環としては綺麗に見えるけど、殺気がイマイチ。


結局、彼の罪はペドロの知るところになるのですが、ここがロドリゲス的には最大の見せ場。
ペドロが彼にイネス殺害を命じた父王を問いつめてる間、ひたすら顔芸で心境を語るロドリゲス。
しかもこれが、けっこう長い。
思わぬ所から真実が明るみに出た驚きと悔しさ、焦りに歪んだ表情から、ある決意に至るまで。
表情だけで見せるのは難しいと思うけど、よく頑張ってたと思う。

このまま怒りにまかせてペドロが父に兵を挙げたら内乱になる、ならば自分が全ての罪をかぶろう。
…と決意てしてのことだと思うけど、キリスト教徒が「死んでお詫びします」ってのは、違和感ありました��

その死に際は、ゆずるん@アントニオの大芝居とは対照的に淡白でした。
演出家の指示によるものか、ゆりか君に“自分の出番を最大限美味しく見せよう”という欲がないのか。
ひっそりと後ろに下がって死んだときに、顔を覆うように倒れるのがせつないです。

国王に対しては任務を果たせなかったことを詫び、ペドロには愛する女性を手にかけようとしたことを詫び、そして自殺という大罪を背負って死ぬ自分を恥じてるのかなぁと思うと哀しくなってしまった。

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月組『ラスト プレイ』感想その2

2009年11月01日 23:43

早いものでもう11月。本日My前楽でした。
もう千秋楽まで1週間だなんて信じられない。寂しすぎる。

以下、ネタバレです。


最初はかゆい所に手の届かない脚本にもどかしい思いをしたこの作品も、リピートするごとにだんだん楽しくなってきました。

たとえば自分の道をみつけたアリステアは、ムーアとどんな言葉を交わして彼のもとから旅立ったのか。
ジークムントは本当にサルになってしまったのか���
脚本に直接描かれてない行間に想いをはせるのも楽しいものです。

でもピアニストを題材にするなら、これだけはフォローしてほしかったと思うのは、アリステアがピアノを弾く理由。

最初はひたすら孤児院の、院長の名誉のため、義務感からピアノに向かっていたアリステア。
心優しいヘレナは「大勢の人の心を打つわ」と言うけれど、打つわけないじゃん、とひねくれ者の私は思う。
そんな功名心だけで弾くピアノは技巧だけは秀でてるかもしれんが、そんなもんで人は感動できない。

挫折とトラウマを抱えて彷徨うアリステア。
殻に閉じこもった彼をぐいぐい引っ張って光さす方向に連れ出したのはムーア。
ムーアの最後の願いを叶えるために、アリステアはピアノに向かう。
名誉とか義務とか抜きにして、はじめて自分の意志で、純粋な気持ちで弾いたピアノ。
アリステアはムーアによって呪縛を解かれ、自分がピアノを弾く本当の意味に目覚めた…。

…んだろーなと思うのですが、その辺のことは全然書かれてません。自分が深読みしてるだけ。
あさこちゃん&きりやんの最後の絡みなんだからという意味においても、あの終わり方はあっさりしすぎな感じ。
最後のあさこちゃんの歌は、アリステアの歌であり瀬奈じゅんの歌でもあって、心に来る歌詞なのですが。
あえて語らないのが正塚流なのかもしれんが、ちょっと物足りない気がした。


で、今日は何を語りたかったかというと、代役のローレンス@星条海斗。
もりえ君のぼーっとした頼り無さげなローレンスも良かったけど、マギーは硬派な悪役として創ってました。

押し出し強いし、声でかいし、すげー怖いです。とにかくカッコイイです。
その怖そうで裏社会では百戦錬磨そうなローレンスが、実は…てな感じで、空回りっぷりも倍増で面白かった。

最後のVSあさきりの場面では体で芝居してます。オーバーアクションが笑えます(ちょっとミーマイの弁護士さんを思い出した)。
あれだけ暴れてりゃ合図も何もあったもんじゃないわなー�����܂�
ダイナマイトにおびえて頭抱えてうずくまってるのが可愛い。髪がボサボサになるのもツボだ。

ちなみに今日の当日券は、ローレンスの立ち位置を考えて下手を取ったんですが、大失敗でした。
上手にいるあさこちゃん達と会話するもんだから、下手からではマギーの後ろ姿しか見えんかった…�����܂�

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星組『コインブラ物語』

2009年10月28日 22:54

ポルトガル王子ペドロと侍女イネスの悲恋。
史実はもっと悲惨だったらしいけど、いかにも宝塚らしい美しい純愛物語になっていました。

ドラマシティという小さな劇場で観るコスチュームプレイは、豪華な衣装のディテールまで見えて、眼福でした。
泉のセットには本物の水が流れてたりして、装置もなかなか豪華だったし。まさに夢のような空間。
この“愛の泉”の水をペドロは口に含んだけれども、イネスに「そなたも」と促したところで中断してるのがミソ。

以下、ネタバレ感想です。
ペドロ@轟 悠
まわりを若手イケメン軍団に囲まれても見劣りしない美貌は脅威に値します。
でも、それは同世代に見えるという意味ではなくて…もにょもにょ。
と思ってたところで耳に飛び込んで来た「ペドロ王子25歳」の衝撃。
酒井先生、それはちょっと…�����܂�。曖昧に結婚適齢期っつーことでええやん。

おそらく8割の客が「マジっすか!?」と思ったであろう年齢設定を、演技力で納得させてしまうとどさん、すごい。
勝手に結婚を決めた父王の話をふてくされながら聞いてる様子とか、イネスの無事を知って駆け込んでくるときのハイテンションぶりとか、とにかく若かった。
精神的に未熟な男って感じが漂いまくってて、やっぱり上手いわ…と思った。

あと、立ち回りがダントツに鋭い。
あれはレプリカの剣で演技してるようには見えない。本気で相手を斬り殺すつもりだな…と思った。
なのに、触れあうたびにいかにもニセモノな、ちゃちな音を立てる剣に興ざめ����
新感線みたいにリアルな擬音をつけられないのだろうか。

ペドロ王子は、西洋版「愛 燃える」みたいな男でした。
国を背負う者としての立場や責任を考えず、まず個人の幸せを欲しがる困ったちゃんな男。
でも、自分以外の男が好きだと言い放つ妻を許す懐の大きさはステキです。
この人、妻とその恋人の愛を成就させるための段取りはきちんとできたのに、自分の恋愛についてはダメダメでした。

イネス死亡偽装の事実を、下っ端の修道女までが知ってるのにペドロには知らされてないとは。
イネスの父は、娘が王子に見初められたことを知っていたけど、ペドロが娘を守ってくれるとは思ってなかったわけだ。
…ペドロ王子、どんだけ信用ないねん�����܂�

そもそもイネスの悲報を聞いたとき、まず盗賊征伐に出かけたのが失敗だったな。
埋葬の現場に間に合えば、偽装のからくり見抜けたかもしれんのに…。

個人的にツボったのが、イネスに別れを告げられたペドロが修道院長に「なんとかならないのか」と叫ぶシーン。
「なんとかならないのか」じゃなくて、自分でなんとかしようよ。自分の恋だろう。
突然の別れの言葉に動揺し、辛すぎてまともにイネスの顔を見れてないペドロのヘタレさが好きだ。
そんなやりきれなさを胸に抱えて歌うイネスへの愛が、哀しくてせつない。

とどさんの歌のみならず、この作品の音楽は全般的に良かった。
盗賊の歌と船乗りの歌が特にテンション上がりました…というわけで、次は星組イケメン語りの予定。


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